猫のよだれの原因、治療法について獣医師が解説|立川市の立川アステル動物病院
立川市・東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市の皆様、こんにちは。
東京都立川市にある立川アステル動物病院です。
今回は、猫の「よだれ」について、考えられる原因や症状、診断方法、治療法について獣医師が詳しく解説します。
猫は犬と比べて、普段から大量によだれを垂らす動物ではありません。そのため、突然よだれが増えたり、口の周りが濡れていたりする場合には、何らかの病気や異常が隠れている可能性があります。
特に、よだれに加えて「口臭が強くなった」「食事を食べにくそうにしている」「口を気にしている」「元気や食欲がない」といった症状がある場合は注意が必要です。
猫のよだれには、歯周病や口内炎などの口腔内の病気だけでなく、誤食や中毒、消化器疾患、全身疾患など、さまざまな原因が考えられます。
当院では、猫のよだれの原因を詳しく調べ、原因や症状に合わせた診断・治療を行っています。気になる症状がある場合は、一度ご相談ください。
目次
- 猫のよだれの症状
- すぐに受診した方がよい症状
- 猫のよだれの原因
- 口の中の病気によるよだれ
- 口の中以外の病気によるよだれ
- 猫のよだれの診断
- 猫のよだれの治療
- 猫のよだれでよくある質問
- 立川アステル動物病院の治療の特徴
- まとめ
猫のよだれの症状
猫のよだれには、一時的なものから、病気が原因となっているものまであります。
例えば、苦い薬を飲んだ後や、強いストレス・緊張を感じたときなどに、一時的によだれが増えることがあります。
一方で、何度もよだれを垂らしている、口の周りが常に濡れている、泡状のよだれが出ているといった場合には、病気が原因となっている可能性があります。
次のような症状が一緒にみられる場合は注意しましょう。
- よだれが大量に出る
- 泡のようなよだれが出る
- 血が混じったよだれが出る
- 口臭が強くなる
- 口を気にして前足で触る
- 食べにくそうにする
- 食事中に突然口を気にする
- 硬いものを食べなくなる
- 食べ物を口から落とす
- 食欲が低下する
- 口を開けたままにする
- 元気がなくなる
- 嘔吐や下痢がみられる
猫は口の中に痛みがあっても、初期にはある程度食事を続けることがあります。
「食べているから大丈夫」と考えず、食べ方や口臭、よだれなどの変化にも注意することが大切です。
すぐに受診した方がよい症状
猫のよだれの中には、緊急性の高い病気が原因となっているものもあります。
特に、次のような場合は早めに動物病院へご連絡ください。
- 突然、大量のよだれが出始めた
- 呼吸が苦しそう
- 口を開けたまま呼吸している
- ぐったりしている
- 繰り返し嘔吐している
- ふらついている
- 震えやけいれんがある
- 意識がぼんやりしている
- 薬品や植物、薬などを誤食した可能性がある
- 口から出血している
特に誤食や中毒が疑われる場合には、自己判断で吐かせたり、水や食べ物を無理に与えたりせず、速やかに動物病院へご相談ください。
猫のよだれの原因
猫のよだれには、さまざまな原因があります。
大きく分けると、歯周病や口内炎などの「口の中の病気」と、中毒や消化器疾患などの「口の中以外の病気」が考えられます。
口の中の病気によるよだれ
歯周病
猫でも歯周病は多くみられる病気です。
歯垢や歯石が蓄積し、歯肉や歯を支える組織に炎症が起こることで、口臭や痛み、よだれなどの症状がみられます。
進行すると、
- 口臭が強くなる
- 歯肉から出血する
- 硬い食べ物を嫌がる
- 食事を口から落とす
- 食欲が低下する
などの症状がみられることがあります。
口内炎
猫では、口の中に強い炎症を起こす慢性的な口内炎がみられることがあります。
炎症が強いと非常に強い痛みを伴うため、「食べたいのに食べられない」「食事の前までは欲しがるのに、口に入れると痛がってやめる」といった様子がみられることがあります。
その他にも、
- 大量のよだれ
- 強い口臭
- 口を前足で触る
- 食事中に叫ぶような声を出す
- 体重が減る
などがみられることがあります。
歯の病気
猫では、歯が吸収されていく「歯の吸収病巣」など、強い痛みを伴う歯科疾患がみられることがあります。
一見すると歯石がそれほど多くなくても、歯そのものに痛みがある場合があります。
口の中の異物や傷
魚の骨や植物、糸などの異物が口の中に引っかかったり、舌や歯肉を傷つけたりすることで、よだれが増えることがあります。
特に猫では、糸状の異物が舌の根元などに絡まっていることもあります。
口から糸が見えている場合でも、無理に引っ張ると消化管を傷つける危険があるため、そのまま動物病院を受診してください。
口腔内の腫瘍
口腔内に腫瘍ができることで、よだれ、口臭、出血、食欲低下などがみられる場合があります。
中高齢の猫で、よだれや口臭が長期間続いている、血の混じったよだれが出る、口の中にできものがあるといった場合には、腫瘍も考慮して検査を行う必要があります。
口の中以外の病気によるよだれ
中毒・誤食
猫が刺激性のある薬品、植物、薬剤などを口にすると、口腔内への刺激や中毒症状によって大量のよだれが出ることがあります。
中毒の場合には、よだれ以外にも、
- 嘔吐
- 下痢
- ふらつき
- 震え
- けいれん
- 呼吸の異常
- 元気の低下
などがみられることがあります。
誤食した可能性のある物が分かる場合は、商品名や成分が分かるパッケージ、植物の写真などを持参すると診断の参考になります。
吐き気・消化器疾患
胃腸の不調や強い吐き気によって、よだれが増えることがあります。
よだれに加えて、嘔吐、食欲低下、腹痛、下痢などがある場合には、消化器疾患についても確認する必要があります。
感染症
猫のウイルス感染症などが原因となり、口内炎や舌炎などを起こすことでよだれが増えることがあります。
くしゃみ、鼻水、目やに、発熱、食欲低下など、ほかの症状を伴うこともあります。
腎臓病などの全身疾患
全身状態が悪化した猫では、吐き気や口腔内の異常などによってよだれがみられる場合があります。
特に高齢猫で、よだれだけでなく、食欲低下、体重減少、多飲多尿、元気の低下などがある場合には、全身の検査が必要になることがあります。
薬の味による一時的なよだれ
猫は苦味に敏感なため、苦い薬を口にした直後に泡状のよだれを大量に出すことがあります。
薬の投与直後だけで、短時間のうちに治まり、その後元気や食欲に問題がない場合には、薬の味に対する反応である可能性があります。
ただし、毎回強い反応が出る場合や投薬が難しい場合は、薬の形状や投与方法についてご相談ください。
ストレス・緊張
動物病院への移動や強い恐怖、緊張などによって、一時的によだれが増える猫もいます。
特定の状況でのみ起こり、落ち着くと治まる場合は、ストレスが関係している可能性があります。
猫のよだれの診断
猫のよだれの原因を調べるためには、よだれだけでなく、食欲や元気、口臭、嘔吐など、ほかの症状も含めて確認することが重要です。
問診
診察では、
- いつからよだれが出ているか
- 突然始まったか、徐々に増えたか
- 食事は食べられているか
- 口臭はあるか
- 口を痛がっていないか
- 嘔吐や下痢はないか
- 薬を飲んだ直後ではないか
- 誤食や中毒の可能性はないか
などを詳しく確認します。
口腔内の検査
歯や歯肉、舌、頬の内側などを確認し、歯周病、口内炎、異物、傷、腫瘍などがないかを調べます。
ただし、猫は口の中を触られることを嫌がることが多く、強い痛みがある場合は十分な確認が難しいこともあります。
必要に応じて、鎮静や麻酔下で詳しく口腔内を確認する場合もあります。
血液検査
全身疾患や炎症、中毒などが疑われる場合には、血液検査を行います。
腎臓や肝臓の状態、脱水、炎症などを確認するためにも重要です。
レントゲン検査
歯の根元や顎の骨の状態、異物の有無などを確認するためにレントゲン検査を行うことがあります。
歯科疾患では、必要に応じて歯科用レントゲン検査を行うことで、見た目だけでは分からない歯の異常を確認します。
超音波検査
嘔吐や食欲低下などを伴い、消化器疾患や腹部臓器の病気が疑われる場合には、腹部超音波検査を行うことがあります。
猫は口の中に強い痛みがあっても外からは分かりにくいことがあります。そのため、「食べているから大丈夫」と考えず、よだれや口臭などの変化が続く場合には診察を受けることが大切です。
猫のよだれの治療
猫のよだれの治療は、よだれそのものを止めるのではなく、原因となっている病気を治療することが基本です。
歯周病が原因の場合
歯周病の程度に応じて、歯石除去などの歯科処置を行います。
重度に進行している歯では、抜歯が必要になることもあります。
口内炎が原因の場合
痛みや炎症の程度に応じて、鎮痛・抗炎症治療などを行います。
慢性的で重度の口内炎では、内科治療だけで十分に改善しないこともあり、状態によって抜歯などの歯科処置を検討する場合があります。
異物が原因の場合
口腔内や咽頭などに異物が確認された場合は、安全に取り除きます。
異物の位置や猫の状態によっては、鎮静や麻酔が必要になることがあります。
中毒・誤食の場合
原因物質や摂取量、摂取してからの時間、症状などを確認し、必要に応じて点滴や投薬などの治療を行います。
中毒は原因物質によって治療方法や緊急性が大きく異なるため、早めの受診が重要です。
感染症・全身疾患の場合
感染症や腎臓病、消化器疾患などが原因となっている場合には、それぞれの病気に対する治療を行います。
腫瘍が疑われる場合
必要に応じて細胞や組織を採取する検査を行い、腫瘍の種類や広がりを確認したうえで治療方針を検討します。
このように、猫のよだれは「よだれを止める」だけではなく、その背景にある原因を特定して治療することが重要です。
猫のよだれでよくある質問
Q. 猫がよだれを垂らしています。すぐに病院へ行くべきですか?
一時的なよだれで、その後すぐに元気や食欲が戻っている場合には、必ずしも緊急とは限りません。
しかし、よだれが繰り返される、長時間続く、食欲がない、口臭が強い、口を痛がるなどの症状がある場合には、早めの受診をおすすめします。
Q. よだれと口臭があります。歯周病でしょうか?
歯周病は猫のよだれや口臭の原因のひとつです。
ただし、口内炎、歯の吸収病巣、口腔内腫瘍などでも同様の症状が出るため、口臭やよだれが続く場合には口腔内を詳しく確認することが大切です。
Q. 猫のよだれに血が混じっています。大丈夫でしょうか?
口の中の炎症や傷、歯周病などによって血が混じることがあります。
一方で、口腔内腫瘍などが原因となる場合もあります。血の混じったよだれがみられた場合には、一度動物病院で診察を受けることをおすすめします。
Q. 薬を飲ませたら泡のようなよだれが出ました。
猫は苦味のある薬を嫌がり、薬を飲んだ直後に大量の泡状のよだれを出すことがあります。
短時間で治まり、その後普段通りであれば薬の苦味による反応である可能性があります。
ただし、呼吸状態の異常、ぐったりする、嘔吐などがある場合は別の原因も考えられるため、ご相談ください。
Q. ごはんは食べているので様子を見ても大丈夫ですか?
猫は口の中に痛みがあっても、病気の初期には食事を続けることがあります。
食べるスピードが遅くなった、硬いものを避ける、食べ物を口から落とすなど、食べ方に変化がないかも確認しましょう。
Q. よだれが出ている猫の口を自宅で確認してもよいですか?
無理に口を開けることはおすすめしません。
強い痛みがある場合、普段おとなしい猫でも噛んでしまうことがあります。また、口の中の異物を無理に引っ張ることで症状を悪化させる可能性もあります。
安全に確認できる範囲にとどめ、異常が疑われる場合は動物病院を受診してください。
立川アステル動物病院の治療の特徴
立川アステル動物病院では、猫のよだれを単なる一時的な症状として捉えるのではなく、「なぜよだれが出ているのか」という原因を見つけることを大切にしています。
猫のよだれでは、歯周病や口内炎などの口腔内疾患が多くみられますが、誤食・中毒、消化器疾患、全身疾患などが原因となっている可能性もあります。
当院では、
- よだれが始まった時期や食べ方などについての詳しい問診
- 歯や歯肉、舌などの口腔内の確認
- 歯周病や口内炎、異物などの評価
- 必要に応じた血液検査
- レントゲン検査や超音波検査
- 歯科処置を含めた原因に応じた治療
- 必要に応じた専門診療施設との連携
などを行い、症状や年齢、生活環境などを考慮しながら治療方針をご提案しています。
猫は体調が悪くても、その症状を隠してしまうことがあります。
「最近よだれが増えた」「口臭が気になる」「食べにくそうにしている」「食事中に口を気にする」など、普段と違う様子があれば、早めにご相談ください。
まとめ
猫は普段から大量によだれを垂らす動物ではないため、よだれが増えた場合には何らかの異常が隠れている可能性があります。
猫のよだれの主な原因としては、歯周病、口内炎、歯の病気、口腔内の異物、中毒・誤食、消化器疾患、感染症、腫瘍などが挙げられます。
特に、「よだれが大量に出る」「血が混じっている」「強い口臭がある」「食べにくそう」「元気や食欲がない」といった症状がある場合は、原因を調べることが大切です。
また、突然大量のよだれが出て、ぐったりする、呼吸が苦しい、震えやけいれんがある場合には、中毒など緊急性の高い病気の可能性もあります。
猫のよだれは、病気を発見するための大切なサインのひとつです。
立川市をはじめ、東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市周辺で、猫のよだれや口腔内のトラブルについてお困りの際は、立川アステル動物病院までお気軽にご相談ください。


