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【獣医師が解説】犬のクッシング症候群の症状・原因・治療法|立川市の立川アステル動物病院

立川市・東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市の皆様、こんにちは。
東京都立川市にある立川アステル動物病院です。

今回は、犬のクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)について、症状や原因、診断方法、治療法をわかりやすく解説します。

「最近、水をたくさん飲むようになった」「お腹がぽっこりしてきた」「毛が薄くなってきた」といった変化は、年齢によるものと思われがちですが、クッシング症候群が原因となっている可能性があります。

クッシング症候群は中高齢犬に多くみられるホルモンの病気で、放置すると糖尿病や高血圧、感染症など、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。しかし、早期に診断し、適切な治療を行うことで、多くの犬が良好な生活を送ることが可能です。

当院では、犬のクッシング症候群の診断・治療を行っておりますので、気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。

 


目次


犬のクッシング症候群とは?

クッシング症候群とは、副腎から分泌される「コルチゾール」というホルモンが過剰になることで起こる病気です。正式には「副腎皮質機能亢進症」と呼ばれます。

コルチゾールは、血糖値や血圧の維持、炎症の調整などに関わる、生命維持に欠かせないホルモンです。しかし、過剰な状態が長く続くと、皮膚や筋肉、肝臓、血管、免疫機能など、全身にさまざまな影響を及ぼします。

特に7歳以上の中高齢犬で多くみられ、症状がゆっくり進行するため、「年齢のせい」と見過ごされることも少なくありません。


犬のクッシング症候群の症状

犬のクッシング症候群では、次のような症状がみられます。

  • 水をたくさん飲む
  • おしっこの量や回数が増える(多飲多尿)
  • 食欲が異常に増える
  • お腹が膨らんで見える(ポットベリー)
  • 左右対称に毛が薄くなる
  • 毛を刈った後になかなか生えてこない
  • 皮膚が薄くなる
  • 皮膚に硬い粒状のものができる
  • 皮膚炎や膀胱炎を繰り返す
  • 筋力が低下し、疲れやすくなる
  • パンティング(ハァハァと浅く速い呼吸)が増える
  • 元気がなくなる

皮膚に硬い粒状のものができる症状は「皮膚石灰沈着」と呼ばれ、クッシング症候群でみられる特徴的な変化のひとつです。

特に「飲水量が明らかに増えた」「トイレの回数が増えた」「脱毛とお腹の膨らみがみられる」といった場合は、早めに検査を受けることをおすすめします。


犬のクッシング症候群の原因

犬のクッシング症候群は、原因によって主に3つに分けられます。

下垂体性クッシング症候群

犬のクッシング症候群で最も多く、全体の約80~90%を占めるタイプです。

脳の下垂体に腫瘍ができ、副腎を刺激する「ACTH」というホルモンが過剰に分泌されます。その結果、左右の副腎からコルチゾールが過剰に作られるようになります。

下垂体腫瘍の多くは小さな良性腫瘍ですが、腫瘍が大きくなると、旋回運動、けいれん、行動変化などの神経症状が現れることもあります。

副腎性クッシング症候群

副腎そのものに腫瘍ができ、コルチゾールが過剰に分泌されるタイプです。

副腎腫瘍には良性と悪性があり、周囲の血管や臓器への広がりを確認するため、超音波検査やCT検査などによる詳しい評価が重要です。

医原性クッシング症候群

皮膚病やアレルギー、免疫疾患などの治療で、ステロイド薬を長期間使用したことによって起こるタイプです。

この場合は薬剤が原因となるため、獣医師の指示のもとで慎重に減量・中止を行います。ステロイド薬を自己判断で急に中止すると、重い体調不良を引き起こす可能性があるため、絶対に避けてください。


犬のクッシング症候群の診断

クッシング症候群は、症状や一般的な血液検査だけで確定診断することはできません。身体検査、血液検査、尿検査、画像検査、ホルモン検査などを組み合わせて診断します。

まずは問診で、飲水量、排尿回数、食欲、皮膚や被毛の変化、服用している薬などを詳しく確認します。

主に行う検査は次のとおりです。

  • 血液検査
    肝酵素、コレステロール、血糖値などを確認します。クッシング症候群ではALPという肝酵素が高値になることがあります。
  • 尿検査
    尿の濃さや尿糖、尿たんぱく、細菌感染の有無などを確認します。
  • 腹部超音波検査
    副腎の大きさや左右差、腫瘍の有無、肝臓や胆嚢の状態などを確認します。
  • ACTH刺激試験
    ACTHを投与した後のコルチゾールの反応を調べます。治療開始後の薬の効き方を確認する際にも用いられます。
  • 低用量デキサメタゾン抑制試験(LDDST)
    薬を投与した後のコルチゾールの変化を測定し、クッシング症候群の可能性を評価します。
  • CT・MRI検査
    副腎腫瘍の広がりや下垂体腫瘍の大きさなどを詳しく調べる場合に行います。

クッシング症候群は、他の病気やストレスの影響で検査結果が変化することもあります。そのため、症状や複数の検査結果を総合的に判断することが大切です。


犬のクッシング症候群の治療

治療方法は、クッシング症候群の原因や症状、年齢、全身状態によって異なります。

内科治療

下垂体性クッシング症候群では、コルチゾールの産生を抑える内服薬による治療が一般的です。

治療開始後は、多飲多尿、食欲亢進、パンティングなどの症状が徐々に改善していくことが期待されます。ただし、薬の必要量には個体差があるため、定期的な血液検査やホルモン検査を行いながら用量を調整します。

薬が効きすぎると、コルチゾールが不足する「副腎皮質機能低下症」のような状態になり、食欲不振、嘔吐、下痢、元気消失、虚脱などを起こすことがあります。治療中に異変がみられた場合は、すぐに動物病院へご連絡ください。

外科治療

副腎性クッシング症候群では、副腎腫瘍の摘出手術が検討されることがあります。

副腎は大きな血管に近い場所にあるため、手術には慎重な判断が必要です。腫瘍の大きさ、血管への浸潤、転移の有無、犬の全身状態などを詳しく評価したうえで、手術が可能か判断します。

下垂体腫瘍への治療

下垂体腫瘍が大きく、神経症状を伴う場合には、放射線治療などを検討することがあります。必要に応じて専門施設と連携し、治療方針を決定します。

定期的な経過観察

クッシング症候群は長期間の管理が必要になることが多い病気です。

症状の改善だけでなく、薬の副作用や合併症の有無を確認するため、定期的な血液検査、尿検査、ホルモン検査、超音波検査などを行います。


犬のクッシング症候群でよくある質問

Q. クッシング症候群は治りますか?

原因によって異なります。副腎腫瘍では、手術によって根治が期待できる場合があります。一方、下垂体性では、完治よりも症状やホルモンの状態をコントロールし、生活の質を維持することを目的として治療を続けるケースが一般的です。

Q. クッシング症候群を放置するとどうなりますか?

高血圧、糖尿病、膀胱炎、皮膚感染症、胆嚢粘液嚢腫、膵炎、血栓症などの合併症を引き起こす可能性があります。

特に血栓症は、肺や脳などの血管に詰まることで、突然重篤な状態になることがあります。また、筋力低下や皮膚症状が進み、生活の質(QOL)が低下することもあります。

Q. 食事で改善できますか?

食事だけで治すことはできません。ただし、肥満や糖尿病、高脂血症などの合併症を予防するため、適正体重の維持と栄養バランスの良い食事は重要です。

Q. クッシング症候群になりやすい犬種はありますか?

トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、シーズー、ヨークシャー・テリア、ボストン・テリア、ビーグルなどで比較的多くみられます。ただし、犬種にかかわらず発症する可能性があります。

Q. 水をたくさん飲むだけでも検査を受けた方がよいですか?

飲水量の増加は、クッシング症候群だけでなく、糖尿病、腎臓病、子宮蓄膿症などでもみられます。明らかに飲水量や尿量が増えている場合は、早めに検査を受けることをおすすめします。


立川アステル動物病院の治療の特徴

立川アステル動物病院では、犬のクッシング症候群に対して、症状だけで判断するのではなく、血液検査、尿検査、ホルモン検査、超音波検査などを組み合わせた診断を心がけています。

クッシング症候群は、早期発見と継続的な管理が非常に重要です。多飲多尿や脱毛、お腹の膨らみなど、一見すると加齢による変化と思われる症状の中に病気が隠れていることも少なくありません。

当院では、

  • 飲水量や生活状況を含めた丁寧な問診
  • 血液検査・尿検査による全身状態の評価
  • 超音波検査による副腎や腹部臓器の確認
  • ACTH刺激試験などのホルモン検査
  • 定期検査による薬の効果と副作用の確認
  • 必要に応じた専門施設との連携

を行い、それぞれの犬に適した治療を継続できるようサポートしています。

「水を飲む量が増えた」「毛が薄くなってきた」「お腹が膨らんできた」「皮膚病を繰り返している」など、気になる症状がございましたら、お早めにご相談ください。


まとめ

犬のクッシング症候群は、コルチゾールというホルモンが過剰になることで、多飲多尿、食欲の増加、脱毛、お腹の膨らみなどを引き起こす病気です。

症状がゆっくり進むため加齢による変化と見分けにくいことがありますが、放置すると糖尿病や感染症、血栓症などの合併症につながる可能性があります。

早期に診断し、定期検査を受けながら適切な治療を継続することで、良好な生活を送れる犬も多くいます。

立川市をはじめ、東大和市・小平市・国分寺市・武蔵村山市・昭島市周辺で、犬のクッシング症候群の診断・治療をご希望の方は、立川アステル動物病院までお気軽にご相談ください。